鴻理会会長 挨拶


 皆さんこんにちは。昨年11月16日に開催されました令和6年度鴻理会総会で会長に選出いただいた浅原司といいます。よろしくお願いいたします。

 私は、県内の萩高校卒業後、昭和48年に山口大学文理学部理学科(物理学専攻)に入学しました。

 大学時代は湯田に下宿し、自転車で吉田キャンパスに通いながら、講義とサークル活動(柔道部)を中心とした生活を送っていました。柔道は、私自身は決して強い選手ではありませんでしたが、それなりに熱心に取り組んだつもりです。

 下宿は賄付きで、世話をしてくれたおばさんが練習で遅くなって帰ってくるのを待っていて、夕食を準備してくれたのを懐かしく思い出します。

 また、下宿にお風呂がなかったので、ホテル松政の温泉(当時、「千人湯」と呼んでいたと思います)を利用していました。

 昭和52年3月に大学を卒業し、母校萩高校の理科の教員として就職しました。以後、学校現場としては豊北高校(現在の下関北高校)、小野田高校定時制、萩工業高校・萩商工高校、徳山高校、山口高校を経験し、その間、何度か教育行政も経験しながら、最後は県教育委員会で退職を迎えました。

 退職後、公益財団法人山口県ひとづくり財団に3年間勤務し、現在はいくつかのボランティア的な役職はありますが、ほぼ、悠々自適の生活を送っています。

 鴻理会は、学科再編により、旧文理学部が理学部と人文学部に分かれた後に、文理学部同窓会を基に設立されたもので、文理学部理学科、理学部、大学院理学研究科、大学院理工学研究科、大学院創成科学研究科の卒業生、修了生から構成されています。そのルーツをたどれば、明治以降多くの優れた卒業生を輩出した旧制山口高等学校、さらには文化2年に設立された私塾山口講堂に至ります。

 さて、私自身、高校の理科の教員であったにもかかわらず、鴻理会への参加経験もなく、決して良い卒業生とは言えませんがそういった反省も含めて、今後の鴻理会について考えてみました。

 まず、一つは、若い卒業生等が参加しやすい鴻理会にしたいことです。高校の同窓会もそうですが、総会を開催しても若者の参加が少ない。11月の総会では、現役の大学院生たちも何人か参加いただきましたが、是非、若者が参加しやすい会の運営に取り組んでいきたいと考えています。

 次に、現役の学生に対する支援活動の充実です。鴻理会会則にも定められている、教育学術支援事業を更に充実していきたい。特に、現在は地域とともに発展する大学が強く求められる時代であり、次代を担う学生たちの、地域貢献や地域の活性化に資する取り組みを、積極的に支援したいと思います。

 最後に、鴻理会の取り組みや山口大学に関する積極的な情報発信です。これまでも、色々な素晴らしい取り組みをしておられるのに、それが会員にうまく伝わっていない気がします。事務局の負担をあまり増加させることなく、適切で積極的な情報発信の方法を検討していきたいと考えます。

 コロナ禍の時期も過ぎ、大学でも新たな歩みを踏み出されると思います。鴻理会も、様々な課題を一つずつ解決しながら着実に前進していきたいと考えています。

 卒業生の皆さまは全国各地で活躍しておられますが、今後益々のご発展とご多幸を祈念するとともに、引き続き、鴻理会へのご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

令和7年3月吉日

鴻理会会長 浅原 司
理学科物理学専攻 昭和52年卒